色川武大阿佐田哲也エッセイズ 1.放浪」ちくま文庫、読了
麻雀などのギャンブルの話もさることながら。著者は父親が45歳のころの初子の子供で、非情に過保護に育てられた。過保護はその人間をダメにするようで、たしかに生きにくいタイプを造るようだ、と書いてます。環境がスラスラと変化ない場合はよいのだが、社会的変動や個人的は災害で挫折があった時、それなりの既成の生き方に合わせて生きにくいという不便があるようだ。でも、たとえ盲愛だろうと、愛されないで育った人間とはまったく違って、年少の頃、植物が太陽の光を吸い込むように親たちの愛情を吸収し、そのおかげで、無償の行為に対する関心や、人間全体に対する愛情や、自分流の道義心が育っていくものだ、と書いてます。(233ページ)
僕もわりかし過保護に育てられて、まわりから坊ちゃんとか甘やかされたねとか言われるので、いつも後ろめたい気持ちがあったのだが、この文章を読んで、なんだか納得してしまったのだった。