「眩暈(めまい)」島田荘司講談社文庫、読了
かなりの頻度で関係者の手記から始まる例がある。あいかわらず荒唐無稽な話で、外国にも同じようなものがあるんかいな、と思わせる。あまり御手洗が出てこなかったから、つまらないと思った。やはり、御手洗がおもしろい。重度の障害を持つ者が、僕の苦しみなんてわかんないだろ、と言ったら、御手洗が一喝して、こう言ったのが爽快だった。


「五体満足のぼくに、何も解るわけはないさ」