「異邦の騎士」島田荘司、改訂完全版、講談社文庫、読了
島田の処女作、文庫になるさい改訂される。
こんな文章がある。


クイズは、作るより解く方が何倍もやさしいんだ。
古今東西、巧妙な犯罪や事件に真の芸術家がいるとすれば、
それはホームズやポアロなんてやからじゃなく、その犯罪を計画し、実行した勇気ある犯人たちだよ。
それなのに昔から、犯人の尻を追っかけてめいっぱいもたもたしたあげく、
やっと謎を解いたような連中が天才だ、偉人だともてはやされる。
これが道徳配慮でなくてなんだろう。
後半からのノートには戦慄があるが、御手洗は冷静だ。